就活写真(証明写真)全体の、印象を大きく左右する要素の一つは、髪型です。女性ではメイクする際のアイシャドウの入れ方や、口紅の色実などの要素、男性ではネクタイやシャツ・スーツの色味等の要素など、どれも大切ですが、それ以上に最初に写真を見た時に真っ先に目に入ってくる髪型は重要です。
就職活動や履歴書用写真を撮影する際の髪型と言えば、髪を黒くして、男性なら短髪に、女性なら一つ結び、というイメージを持っている方が多いと思います。これは、間違ってはいませんが、就職活動や履歴書用写真で大切なのは「清潔感」です。髪型は、前髪もサイドの髪も含めて、顔周りに掛からないよう顔全体が明るくすっきりと見える状態にととのえ、耳をしっかり出す事で清潔感のある印象になります。
そもそも就活写真は、証明写真としての意味合いもあり、顔全体がよく見えている状態でなければ意味はありません。「フェイスラインが丸くて恥ずかしいから」「頬骨が張っているから」などといった理由で顔を隠していると、証明写真としては不十分な状態になってしまいますので注意しましょう。
女性の場合は、人により髪の長さが異なり、NGなヘアスタイルがあるのは分かるが、男性には髪の毛の色など気を付ければ、そんなにNGなヘアスタイルは無いのではないか、と思っている方は少なくないかもしれません。しかし、男性にもNGなヘアスタイルや、注意したいへアスタイルはあります。男性の意外とNGになるヘアスタイルについてご紹介します。
〇染髪(金髪・茶髪など)
髪を染めていると、男女共に採用担当者に良くない印象を与えてしまうのはご存知の事と思います。ただ男性の場合は、女性よりも、染めた髪に関しては厳しく見られがちです。女性の場合暗い茶髪などは、業界・業種によっては許容される事も多いのですが、男性の茶髪や金髪は、真面目に就職活動を行っていないように見られたり、社会人としてのマナーがなっていないと受け止められたりしてしまう事もあります。その為、証明写真では、金髪でなく茶髪であっても基本的に髪を染める事は避けたほうが無難です。
〇長髪(ロン毛)
最近では、社会人の方でも長髪の男性を割と見かけるようになりました。業界・業種によっては男性の長髪も受け入れられているのだと感じますが、就活において長髪は適していないと言えるでしょう。証明写真や就活では、清潔感や爽やかさなどが重要です。長髪は採用担当者に「清潔感が無い」「だらしなく見える」などといった印象を与えてしまいます。個性を出す事は、個人の自由と言えますが、就活では髪の毛が顔に掛からないように短くする事をおすすめします。
〇ツーブロック・パーマ
ツーブロックやパーマは、完全にNGとまでは言えませんが、証明写真や就活では控えたいヘアスタイルと言えます。どちらも、カジュアルな印象になるヘアスタイルなので、フォーマルな就活の場では控えたほうが無難です。
業界・業種別や、採用担当者の年代によっては、好印象を持ってもらえる可能性もありますが、いかにもパーマをかけているのが分かりやすいパーマヘアや、段差のくっきりしているツーブロックは、どちらかと言うと良い印象を持ってもらいにくい髪型と言えます、特に、堅い業界・業種を希望する方は、注意が必要な髪型なので避けた方が良いでしょう。証明写真や就活では、オシャレさを意識する必要などないので、清潔感や爽やかさを意識した髪型にする事を心がけましょう。
〇意外とNGなセットし過ぎなヘアスタイル(七三分け、オールバックなど)
七三分けとオールバックは、社会人男性の定番とも言えるヘアスタイルではありますが、セットをし過ぎてしまうと、逆に印象が良くない場合もあります。
最近では七三分けやオールバックを、スタイリング剤などを使って、かっちりとセットして、オシャレなヘアスタイルの一つとして楽しんでいる方も多いと思いますが、そのまま証明写真を撮影したり、就活の面接に臨むのは、避けたほうが良いでしょう。セットし過ぎてしまうと、就活で大事な清潔感や爽やかな印象ではなく、逆に威圧感を与えたり、チャラく思われたりしてしまう可能性があります。
が、どちらの髪型もセットの仕方に気を遣えば、好印象を与える髪型ではありますので、清潔感と爽やかさ、フレッシュさをイメージしてセットしてみると良いでしょう。
履歴書用写真や就活などで、女性がついやってしまいがちなNGヘアは、後れ毛を出してしまう事です。流行の髪型の中には襟足やサイドに、あえて少し後れ毛を出して、ふんわりとした印象に作るものも多くあります。普段のお出掛けファッションに合わせた可愛らしい印象にするなら丁度良いでしょう。
しかし、後れ毛の与えるルーズで柔らかな印象は、就活と言うフォーマルな場では相応しくありません。リクルートスーツでビシっと決めても、髪型の印象が合わずに違和感が出てしまいます。
襟足からの後れ毛は勿論、前髪のサイドの髪を少し残す顔周りの後れ毛も、あまりお勧めできません。後れ毛は一切出さずにスッキリと纏めるようにしましょう。
〇後れ毛は写真に写るとだらしがない印象
可能であればリクルートスーツを着て、後れ毛が無い状態と有る状態で、其々スマホなどで自撮りをし、撮影した写真を比較してみると良いでしょう。襟足にしろ、顔周りにしろ、後れ毛が写るとだらしのない印象を与える事がよく分かると思います。
ショートヘアやボブヘアの人は、髪全体が短い為、サイドの髪の対策を怠りがちです。サイドの髪が耳にかからないよう、耳の後ろに隠すなどしてピンで留めるようにしましょう。
前項では、男女別に間違い・NGヘアについてご紹介しました。こちらでは、其々のヘアスタイルで気を付けたいポイントなどをご紹介します。
〇男性のヘアスタイル
爽やかで清潔感のある印象を与える為に、前髪、耳周り、襟足など、顔周りをスッキリと見せる短髪に整え、おでこや耳が出るようにしましょう。就活の場合はオシャレさよりも、いかに爽やかさや清潔感を演出できるか、を意識したヘアスタイルにする事をお勧めします。
髪型で言うと、ショートやベリーショート、刈上げヘアなどです。ショートやベリーショートは、男性が就職活動する際の定番と言っても良いくらいの髪型です。全体的に短くなるので、おでこや眉がよく見え、清潔感を出す事が出来ます。ただ、ショートヘアやベリーショートの髪型でも前髪だけ長くしている方が時々いらっしゃいますが、その場合には髪の毛が顔に掛からないよう、おでこが見えるようにセットしましょう。前髪が長く顔に掛かると、顔に影が落ちて暗い印象に見えたり、又、面接の際に何度も顔に掛かる前髪を直したりするのは、不潔に見え、だらしないと思われて、印象は悪くなってしまいます。前髪もおでこや眉毛が見えるくらいに整え、斜めに流したり、前髪を持ち上げてセットしたりする、アップバングのスタイルにすると清潔感を演出できてスッキリとした印象になります。
刈上げヘアも、清潔感のある印象を与える事が出来るので、お勧めの髪型と言えます。サイドやバックの髪の毛が軽く刈り上げてあると、全体的にスッキリとして見えるので、爽やかな印象を演出できます。但し、トップの髪の毛とサイドとバックの髪の毛の長さに差がありすぎると、フォーマルさの無いツーブロックになりますので、境目が自然になるように長さを調節してもらいましょう。
又、髪を整える為にスタイリング剤を使用する事は問題ありません。スタイリング剤を使用する際は、ワックスがおススメです。ジェルや、ムース、スプレーなど様々な種類のスタイリング剤がありますが、どれもワックスよりキープ力が無かったり、一度セットすると修正が難しかったりするものなどがあります。ワックスは髪の毛の束感を出したり、髪型をセットする時に扱いやすく、スタイリング剤を普段から使用する機会の無い人は、まずワックスから使用してみましょう。髪の毛がテカってしまったり、ベタベタになったりする程つけてしまうのは、前項でも紹介した通り避けた方が良いでしょう。清潔感を出す為には、髪をセットする必要がありますので、顔に髪がかからないような爽やかなヘアスタイルになるよう、使い過ぎないように気を付けましょう。
〇女性のヘアスタイル
顔周りをスッキリと明るい印象にする為に、どの髪型でも後れ毛を出さずに耳を出すようにしましょう。一つ結びの場合は、襟足の後れ毛も出さないように。
ハーフアップの場合も、耳よりも前の後れ毛は出さないようにしましょう。そうすれば、下半分の髪の毛を後ろに垂らしても、スッキリとした印象になります。
前髪も、目元は勿論、眉毛にもかからないように工夫しましょう。目元が明るくなると、顔全体の印象が生き生きとして見えるようになります。
前髪が短すぎると、幼く頼りない印象になりがちですので、サイドに流すか、ワンレングスやオールバックにすると良いでしょう。流した前髪は、お辞儀する度に崩れてこないよう、ワックスやハードスプレーで固めておきます。崩れやすい人は、「ウテナ マトメージュまとめ髪スティック スーパーホールド」などを使ってカッチリと仕上げて置きます。
見える位置で、前髪をピンで留めるのも実はNGです。ピンを使う場合は髪に隠すように工夫し、見え難い位置に付けるようにすると良いでしょう。
短くてかっちりとしたセットがし難い状態では、お辞儀をするたびに崩れる髪を直すことになり、印象が悪くなります。「留めにくいな」と思ったら、就活が本格化する前に伸ばしておくと良いでしょう。
ヘアピンだけでなく、黒いヘアゴムも本来は人に見せるものではないので、出来れば隠した方が良いでしょう。一つ結びにした場合、髪の毛を少しとった束でゴムを巻くとキレイにみえます。それがどうしても上手くできない場合は紺や黒などの目立たない色のヘアアクセサリーでカバーしてみるのも良いでしょう。
「丸顔だから」「エラが張っているから」など、フェイスラインに対するコンプレックスがある人は、つい就活ヘアでも後れ毛を残したり、顔に髪がかかるようにしたりしてしまいがちです。又、オシャレさを意識した髪型に拘っている方も時々お見掛けします。
就活では、誰でもがスッキリとしたフェイスラインを出し、就活に適したヘアスタイルにするものなので、コンプレックスを隠したり、オシャレを意識したりする事よりも、常識的な身嗜みを心掛けましょう。
目元や眉毛、顔全体がスッキリと出ている髪型は明るい印象になり、目力を強く見せてくれる効果が期待できます。スッキリとした、印象の良い髪型で就活を成功させましょう。