前髪は証明写真や面接でも、第一印象を大きく左右する部分と言っても良いでしょう。普段はお洒落なヘアスタイルや、個性的なヘアスタイルにしている人でも、就活では清潔感を意識した前髪に整えるようにしましょう。
清潔感を意識すると、キチンとした印象を与える事が出来、相手に配慮し、考え方もキチンとしているだろう、と言った安心感や信頼感に繋がります。履歴書の内容や面接での受け答えがどんなに良くても、清潔感が無くては、最初に与えた印象が払拭できずに評価を下げる事になりかねず、それは非常に残念な事です。
服装や持ち物に気を配る事も勿論大事ですが、髪型や前髪を少し整えるだけで、清潔感や明るい印象を与えることが出来るので、気を使いましょう。
前髪が与える印象については、前項で説明した通りですが、前髪が有る場合と無い場合でも印象はかなり違います。どちらの方が良いのだろうかと悩む人もいると思いますが、どちらでも、良い印象を与える部分とあまり良くない印象を与える部分があります。
前髪有りと無し、それぞれの場合の印象の違いを把握して、自分が与えたい印象や、より良く見せられる前髪にして見ましょう。
○ 前髪が有る場合の印象
前髪が有る場合は、明るく活発、溌剌とした良い印象などを与えられる反面、幼い印象になりがちです。又、前髪の長さやスタイルによっては、顔全体が暗く見えてしまったり、奇抜に見えてしまったりする為に、良い印象にならない事もあります。
奇抜に見えてしまう前髪のスタイルは、そもそもNGですが、顔全体が暗く見えてしまう原因は前髪を下ろしている事で、目元に影が作られてしまう為です。目元に影ができないように、前髪を斜めに流したりするなどして上手く纏める事が出来れば、印象が悪くなる事はありません。むしろ、前髪が有る場合の良い面である、明るい印象やフレッシュさなどの好印象を与える事が可能です。
○ 前髪無しの場合の印象
前髪が無い場合は、知的で落ち着いた印象や、大人っぽい印象を与えられますが、明るく活発な印象や、フレッシュさのある印象を与えるのが難しいといえます。人によっては、暗く見えてしまったり、消極的に受け取られたりする可能性もあります。
ただし、前髪の無いヘアスタイルは、基本的には、知的で落ち着いた印象を与えるので、真面目さや清潔感が有るように感じてもらいやすく、好印象に繋がります。顔全体が幼く見えてしまう童顔の人や、丸顔の人で大人っぽさや、知的な印象を与えたい場合などは、前髪無しにするのがお勧めです。
どの長さのヘアスタイルでも、特に証明写真の撮影で意識しておくべきポイントは、髪型の正面しか写らない、と言うことです。その為、最も目に付く前髪の作り方を意識してセットしましょう。
○ ショートヘアの場合
ショートヘアの場合は、前髪を横に流す事をお勧めします。短めにそろえるのも良いのですが全体が短いうえ前髪まで短いと幼い印象になりがちで、あまり就職活動には適していません。又、前髪自体が無い髪型も、ショートヘアと合わせると、気の強い印象になりやすいので注意してください。
いずれにしても前髪が目にかかると、目元に影ができて暗い印象になるので、かからないように工夫しましょう。サイドの髪はすべて耳に掛けます。一束残すと思った以上にだらしなく見え、スーツとちぐはぐな印象になるので就職活動では避けましょう。
顔周りの髪がお辞儀するたびに落ちてくるような場合は、ハードスプレーで固めてしまうか、ピンなどで固定するようにしましょう。但し、その場合は、ピンを出来るだけ目立たない位置に付けるようにして、髪の毛に隠すとよいでしょう。
〇 ボブ・ミディアムヘアの場合
ボブ・ミディアムヘアの場合は、長さによっては結べない方も多いと思いますが、前髪のセットはしっかりと行いましょう。パッツン前髪等の厚めの前髪の方や、流行のシースルーバングの方は、眉毛やおでこ、耳が見えるように、前髪を横に流す形がお勧めです。前髪が無い方は、顔周りの髪の毛を横に流すか、センター分けにすると良いでしょう。
顔周りの髪の毛を、耳にかけたりしてすっきりさせることで、髪を結んでいなくても表情が良く見え、明るい印象と清潔感を与える事が出来ます。
○ ロングヘアの場合
ロングヘアの場合は、結んでいないと清潔感が無く、暗い印象を与えてしまう事もあるので、ポニーテールのような一つ結びかハーフアップがお勧めです。
一つ結びは、高い位置で結ぶと幼い印象になりがちですので、耳と同じくらいの高さか、耳よりも低い位置で結ぶようにしましょう。又、ハーフアップは長すぎる髪の方にはお勧めしません。ミディアムへアより少し長い程度の方は問題ないのですが、所謂スーパーロング程の長さでハーフアップは、逆に就活での清潔感が亡くなってしまう事もあるので、一つ結びで纏める方が無難といえます。
ボブやミディアムヘアと同じで、パッツン前髪等の厚めの前髪の方や、流行のシースルーバングの方は、前髪を横に流すのをお勧めします。前髪の無い方や長い方は、前髪を横に流すのもお勧めですが、前髪をセンター分けやオールバック等にするのも良いでしょう。
センター分けは落ち着いた印象を与え、オールバックはキリッとした自信のある印象を与えます。この二つの前髪の注意点として、顔の形やおでこの形によって、似合う・似合わないがありますので、セットする際に確認しましょう。
ショートヘアはすっきりとした印象がありますが、就活では意外に扱いが難しいヘアスタイルです。少しでも長さがあれば、後ろで結び、崩れないようにスタイリング剤などでキープする、という選択肢もありますが、短めのショートヘアだとそれもままなりません。
就活ヘアは、顔全体を出し採用担当者に見てもらう事が前提です。つまりショートヘアで不利にならない為には、これに支障が無い形のヘアスタイルにする事が大事です。
又、面接時には何度もお辞儀を繰り返します。そのたびに髪が垂れてきたり、髪形が崩れていたりしてしまっては、面接に集中する事が出来ません。その為、お辞儀しても崩れ難くする為の工夫が必要になります。
このような理由から、ショートヘアは就活に不利なのでは?としばしば考えられるようですが、しっかりとポイントさえ押さえておけば、ショートヘアであったとしても特に問題なく就活に臨む事ができます。
面接時には、正面からの姿だけでなく、横や後ろからも面接官に見られます。その為、後頭部のシルエットにも気を使いましょう。
後頭部が立体的に丸みを帯びたシルエットにすると、キチンとセットした髪型に見え、就職活動で必要とされる清潔感を演出できます。逆に、後頭部がペタンとしたショートヘアは、貧相に見えてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
短いと寝癖が付いたり、毛先がはねたりしやすいので、それらを直すときは、一度根元まで濡らしてから整えるようにしましょう。表面だけをセットしても時間がたつにつれ戻ってしますので、シルエットが崩れてしまいます。
髪の毛の長さや状態で、人によってはアホ毛や、後れ毛が出やすくなります。アホ毛や後れ毛は、就職面接で面接官の目に入る事は勿論、就職写真にもクッキリと写ってしまい、だらしない印象を与えかねないのです。特にショートヘアの場合は、アホ毛や後れ毛、寝癖等が付きやすく、「それが怖いのでショートヘアにしない」と言う人もいるのではないでしょうか。
そこで、どのような髪の長さでもセットをキープする為に、是非お勧めしたいのがヘアスタイリング剤です。数あるスタイリング剤の中でも、特に就活生に使っていただきたいのはヘアワックスです。
就活写真の撮影は短時間で終わるので、撮影時のワックスはナチュラルなタイプで大丈夫。ワックスを手の平全体でしっかり伸ばし、表面をしっかりと撫で付け、正面から見てシルエットが綺麗に整っている事を確認します。アホ毛などが一本もたっていないようにしましょう。
就職面接や説明会などでは、移動が必要になりますので崩れやすくなります。その為、キープ力の高いワックスを選びます。髪全体にしっかりとワックスを伸ばし、手櫛で髪の内側にも馴染ませる様にします。仕上げに手に残ったワックスで表面をきれいに撫で付けましょう。内側にもワックスを馴染ませておくことで、セットした髪が長時間崩れにくくなります。
ツヤの無いマットタイプは、髪がパサついた印象になりやすいリスクがあるので、自然なツヤが出るタイプがお勧めです。
どの長さの髪でも、しっかりと纏めてあるヘアスタイルや自分に合った前髪を作ると、清潔感やフレッシュさ等の印象を相手に与える事が出来ます。その中でもショートヘアは、健康的な明るい印象を与える事の出来る髪型なので、キチンとセットできれば就職活動で不利になる事はないでしょう。むしろ、元気で明るい印象を与える可能性もあり、営業職等では特に高評価を得られる可能性もあります。
最低限、アホ毛や後れ毛、ハネなどに気を付け、キープ力のあるスタイリング剤で、崩れないようにまとめましょう。
又、写真を撮影する際には、そう言ったアドバイスをしてくれる写真館を選ぶ事が重要です。
プロのヘアメイクスタッフがいる写真館で相談に乗ってもらい、納得のいく写真を撮影しましょう。