業界によってそこで働く人のイメージが異なる理由として、その業界の扱うサービスや商品の内容が異なるためです。女性を美しく彩る化粧品を扱う会社の社員がノーメイクでは説得力に欠けますし、大切なお金を取り扱う金融機関の銀行員がチャラチャラとした身嗜みでは信用が得られません。
社員は、その企業の顔として認識されます。つまりその業界で求められる人物像は、その企業のクライアントから求められる人物像といえます。この点を理解すれば、志望する企業に対する印象アップが狙えます。
どの企業に対しても、同じ就活写真を使う事は出来ますが、特に人気の高い企業では、書類選考でかなり志望者を絞り込みますので、少しでも就職活動を有利に進められるように、せめて業界毎に求められる人物像を表現した就活写真を使うようにしましょう。
金融業界や、商社系を志望する場合、信頼や信用が最も重視されます。就活写真では、素直で実直な人物像を表現すると良いでしょう。引き締まった表情がポイントになります。几帳面さが求められるメーカーや、インフラ系、公務員の就活写真でもほぼ共通の注意点です。
女性はきっちりと耳を出し、後ろで一つ結びにするなどして、髪を纏めます。全体のシルエットをきれいにする為、後頭部にボリュームを出す人もいますが、金融系の場合は好まれません。髪にボリュームの出やすい人は、ストレートアイロン等を使ってボリュームを抑えましょう。ワックスで髪にツヤを出すと清潔感が出ます。
男性は短めにカットし、七三分けになるように分け目を作ります。ワックスで髪を遊ばせたり、束感を出したりするのはやめましょう。
メイクはあくまでもナチュラルに、カラコンや付けまつ毛は目立たなくてもやめておく方が無難です。
女性の場合、スーツに合わせるインナーは、襟を出すタイプのスキッパーシャツではなく、ボタンを全て留める事の出来る、レギュラーシャツを選びましょう。真面目で清楚な印象を演出できます。男性は無地の黒いスーツにして、ネクタイは青又は紺を選びます。
コンサルタントや、広告業界では、クライアント企業と日常的に接する事になるので、表情には若干の親しみ易さが求められます。やや口角を上げた笑顔がお勧めです。但し、法人を対象とした営業活動を行う事になるので、子供っぽさが出ないように注意しましょう。
女性の髪形は、一つ結びに限らずハーフアップでやや柔らかさを出しても大丈夫です。その場合は後ろ髪が広がらないようスタイリング剤かストレートアイロンで抑えるようにしましょう。男性は毛先を遊ばせたり、束感を出したりするのはやはりNGです。何れも前髪が目に掛からないようセットします。
メイクはやはりナチュラルに纏め、カラコンや付けまつ毛も付けないようにします。
女性は開襟タイプのスキッパーシャツを着用してもOKですが、胸元が開き過ぎないように注意しましょう。男性のネクタイは、やる気をアピールするなら赤系、エンジなど、無難に攻めるなら青系や紺を選ぶと良いでしょう。
観光業界や、ホテル業界は、お客様と接する機会の多い上に体力仕事。健康的で明るい人物が求められます。就活写真は、体調の良い日を選び、口角を上げた明るい笑顔で撮影しましょう。
女性は優しい印象が演出できるハーフアップがお勧めです。下ろした髪が広がらないように、スタイリング剤やストレートアイロンで整えましょう。
メイクは、少ししっかりと色を載せるようにして、陰影を付けてはっきりとした顔立ちに仕上げます。他の業界に比べて少し濃い目でも良いので、健康的に見える色味でメイクしましょう。
女性のシャツは、顔周りにハイライト効果が期待できる、スキッパーシャツがお勧めです。白い襟が表情を更に明るく見せてくれます。但し、胸元が開き過ぎないように注意が必要です。
ここまでは、業界別に証明写真を撮影する際のポイントについてご紹介してきましたが、未だ業界・業種を決めていなかったり、どの業界・業種でも使える、証明写真を撮影したいと考えている方も多いのではないでしょうか。志望する業界・業種が決まっていれば、そこに合わせた「求められる人物像」として撮影すれば良いのですが、決まっていない場合は、どうすれば良いのか迷ってしまう事でしょう。
志望する業界・業種が決まっていない場合は、一般的に好印象を与える事が出来る人物像として、証明写真の撮影に望むことをお勧めします。清潔感があり、爽やかさやフレッシュさ、明るさを感じられる表情や姿勢、身嗜みに気をつけると、どの業界・業種でも悪印象になる事は有りません。
具体的に、表情は口角をやや上げるイメージで、姿勢は正面を向いて胸を張り、背筋を伸ばして顎を少し引くようにしましょう。身だしなみは、男性と女性では少し異なります。
男性の髪形については、表情が良く見えるように、額が出るようなヘアスタイルにし、寝癖等がついたままにならないように、整えておきましょう。又、スーツは黒や紺などの色味にして、シャツは白無地のレギュラーカラー、サイズ感をジャストサイズにする事をお勧めします。ネクタイは派手な色柄は避けて、青系(青や紺、水色等)か、赤系(ワインレッド、エンジ等)、又は、グレー系にしておくと無難です。
女性の場合髪型は、前髪が目などに掛からないよう斜めにセンター分けにし、髪の長さにもよりますが、ハーフアップや一つ結びにするのが無難です。又、スーツは男性と同じく紺や黒、濃い目のグレーなどの色味を選び、シャツは白無地、スキッパーシャツよりはレギュラーシャツを選ぶ方が、業界・業種を問わず万能に使用できます。メイクは普段のメイクではなく、ナチュラルメイクを意識するようにしましょう。ただ、証明写真の場合、ナチュラルすぎるとメリハリ無く写ってしまう事もあるので、ナチュラルを意識しつつ少しはっきり目にメイクする事をお勧めします。
ここでは、業界別に「求められる人物像」を写真で表現する方法について纏めてみました。自分が志望する業界・業種に近い物を参考にしてみてください。
又、証明写真専門のスタジオなどでは、経験豊富なスタッフが常駐していますので、髪型やメイク、服装などのアドバイスをしてもらえます。少々費用はかかりますが、そういった写真館の利用も検討してみましょう。