逆質問は、一見就活生に対する優しさから質問の機会を設けているようにも見えますが、そうとは限りません。
採用担当者は、逆質問の内容から自社に対する興味や関心の高さを伺うのです。言い換えると、逆質問を用意していなければ、その企業に対する関心が薄い、と受け取られかねないと言う事になります。
逆質問の内容は、面接官に「入社後も意識を高く持って働いてくれそう」「直ぐに辞めたりしなさそう」と、思って貰えるような内容にしましょう。具体的な仕事の内容や、将来のビジョンをイメージさせる内容の質問が良いでしょう。
逆質問は、PRの機会になりますが他の質疑応答と同じく、失敗すると逆効果になってしまう可能性もあります。次のような質問は、マイナスイメージにつながりやすいので気を付けましょう。
○給与や残業についての質問
仕事の内容よりも、給与や残業に対する関心が高く、「働く前から休む事ばかり考えている」と言った印象に繋がります。又、こうした内容は、募集要項やリクルートサイトなどである程度確認できるので、「当社について調べていない」「関心が無い」という印象も持たれてしまう可能性があります。どうしても実態について知りたいのであれば、OB・OG訪問などで質問する方が良いでしょう。逆質問のタイミングでは避けた方が無難といえます。
○「はい」「いいえ」で答えられる質問
一言で答えが終わってしまう質問では、場が持ちません。答えに幅があり、会話が広げられるような質問がお勧めです。
面接官の立場になって考えると、どのような質問が好ましいかが見えてきます。次のような点を意識して質問を考えておけば、効果的な逆質問になります。
○簡潔に質問する
多くの企業では何人にも対して面接をしているので、一人一人の面接にそれほど多くの時間を割けません。長々と前置きなどせず、簡潔に質問をしましょう。これは逆質問に限らず、その他の質疑応答に関しても同じ事が言えます。
○あくまでも謙虚に
質問するとなると、なぜか少し上から目線で話す学生が時々見られます。極端に謙る必要はありませんが、就活生にとって面接官は全て目上の人ですから、謙虚な態度で話しましょう。
○関心がある事を伝える
逆質問の内容に、事前に企業研究して調べた内容を織り込む事で、関心の高さが伝わり好印象につながります。
逆質問で、お勧めの質問の例として、次のような物が挙げられます。
これらをそのまま質問してもかまいませんが、出来るだけ自分なりのアレンジを加え、本当に聞きたいと思える質問をしましょう。
1:○○様から見た、御社の魅力はどのようなものですか?
⇒社員が感じる魅力が自分自身にとっても魅力的であれば、仕事を続けるモチベーションにつながる。
2:これまでの仕事の中で○○様が最も遣り甲斐を感じられた瞬間はどんな時ですか?
⇒遣り甲斐に魅力を感じれば、仕事のモチベーションになる。
3:御社の掲げる□□という理念を実現されるために、どの様な事に取り組まれていますか?
⇒社内の取り組みに対する興味は、前向きさのアピールにつながる。
4:社員に求める資質や心掛けにはどのようなものがありますか?
⇒採用に対する取り組みの姿勢の参考になる。
5:面接の中で気付かれた私の改善すべき点や、努力すべき点があれば教えて頂けますか?
⇒向上心をアピールでき、次回以降の面接の改善につながる。
この他、自分が配属を希望する部署の成果を評価する方法や、希望職種の仕事の流れ等、具体的な働き方をイメージする為の質問などは評価が上がります。
質問に対する答えをメモしたい時は、「折角ですのでメモを取りたいのですが、よろしいでしょうか?」と、面接官に確認するようにしてください。
逆質問は、イレギュラーな応答になる事も多く、頭が真っ白になる事もあるかもしれません。その中で、「ちょっと失敗したかも」と思う事が有っても、引きずらずに最後まで前向きに面接に臨みましょう。
逆質問をするものと想定して準備をしておけば、PRの機会が増えます。こういったチャンスを上手く活用し、内定獲得につなげましょう。