集団面接と普通の面接の違いは、「自分以外にも参加者がいる」事です。役員面接や個人面接では「自分一人」を審査する為に複数の面接官が同席します。しかし、集団面接では「自分を含めた複数の参加者」を、同じく複数の面接官が審査するのが一般的です。
単純に考えると、面接の予定時間が一時間あった場合、参加者が四名いる集団面接では、一人当たり最大二十五分しか自己PRに使えません。人数が増えるほど、持ち時間やアピールのチャンスが減ってしまう為、集団面接では「短時間で面接官の印象に残るテクニック」や、「他人の意見に絡めて自分の意見を主張する技法」が必要になります。
又、面接を受けるライバルと、自信の面接対応や受け答えを比較されるのも普通の面接との大きな違いと言えます。
集団面接では、自己主張と協調性アピールの両立が求められます。例えば、面接官に設定された持ち時間をオーバーして話をすれば、話の内容がどれだけ充実していても、面接の評価は「協調性無し」になってしまいます。しかし、協調性を気にして持ち時間をきっちり守ったとしても、肝心の受け答えに魅力が無ければ、逆に自己主張を評価してもらえません。
集団面接を突破する為に、
○面接官の意図を読み取り、相手の知りたい事を答える能力
○言いたい事を与えられた時間内に簡潔に纏める力
○相手に聞きやすい声のトーンや抑揚、大きさ
などが必要となります。
集団面接でグループディスカッションを求められたら、自分以外の参加者の主張を良く聞いてまとめたり、他人の意見を土台にしてより良い自己主張を作ったり、本題から逸れた話題を戻したり出来る様にしておくと良いでしょう。
集団面接では、「定番の質問」にどう答えるかも重要です。
「自己紹介自己PRをしてください」
「学生時代に頑張った事は?」
「弊社を志望した理由を教えてください」
「(同業)他社ではなく弊社を志望したのは何故ですか」
と言った質問に関しては、事前に答えを考えておけば、「何と答えたら良いのか分からない」と言った失敗をする心配はありません。
多くの場合、集団面接はそもそも最低限のコミュニケーション能力や、面接に備えた準備をしていない志望者を篩いに描ける目的で行われます。当日いきなり感動的なエピソードなど出てこないので、予め良く有る質問の返しを準備しておいて、集団面接を突破しましょう。
競争率の高い人気の企業や、業界内でも業績の良い企業を志望する場合は、定番の質問に上手く答えられるだけでは、集団面接を突破できません。集団面接を上手く運ぶポイントは、立ち居振る舞いにも気を使う事です。
具体的には、
○写真写りの良い証明写真を用意して第一印象を良くする
○ハキハキと明るい声で話す
○質問に答える際、一文を短くする
○面接中キレイな姿勢を維持する
○スーツ・シャツ・メイクなどの身嗜みを調える
と言った点に気をつけましょう。
人間は、自分で思っている以上に相手の事を見た目で判断しています。外見や身嗜みが乱れていては、例え良い意見を出しても適切な評価が得られません。
必要に応じて、
○微笑を浮かべる
○結論から簡潔に話す
○身振り手振りを交える
と言ったテクニックを使って、自分の見た目に関する評価を引き上げる事も重要です。
集団面接ならではのミスは、
○安易に人の意見を否定してしまう
○言おうと思っていた事を先に言われてしまった時、急に意見を変えてしまう
○与えられた持ち時間をオーバーしてしまう
などです。
意見の否定や足の引っ張り合い、第三者から見て好ましい物ではありません。付け焼刃の意見だと、面接官から深堀りされた時に対応が難しいですし、持ち時間をオーバーすると、文章を簡潔に纏める能力が疑問視されてしまいます。
マイナス評価が増えていってしまうと、次の段階、役員面接等に進みづらくなってしまいます。就活では書類選考だけでなく、集団面接の準備にも力を入れたいものです。