厚生労働省の調査によると2017年3月卒業者(大卒)の離職率は、32.8%で前年よりも増加しました。この増加傾向は、30年程続いております。(1987~1983年と2009年を除く)
大学を卒業した新卒の三年以内の離職率は常に30%前後あります。
一般的に中卒や高卒、短大卒と比べてキャリア形成しやすい大卒に限っても、同期の三人に一人が会社を辞めています。「苦労して就活で内定を勝ち取った会社を辞めてしまう確率」が30%以上もあると考えると、如何に新卒の就職活動で、自分に合った企業に入る事が難しいのかが分かるのではないでしょうか。
新卒が退職する理由として上位に来るのが、「理想と現実のギャップを感じた」と言う内容です。
「理想と現実のギャップって何?」
「何事も100%理想通りにいくとは限らないのだから我慢できるのでは」
「業界研究や企業研究に力を入れているから自分は大丈夫」
と考えた人もいるでしょう。
しかし、どれだけ下調べを万全にしたとしても、
・入社して一人前になるまでどのくらいの期間が掛かるのか
・新人教育マニュアルがどの程度充実しているのか
・配属先の部署の人間関係
・飲み会やイベント事の頻度
と言った細かい事情までは、入社後でなければ分かりません。
入社後に明らかになる、働き方や労働環境に納得できないからこそ「理想と現実のギャップ」が離職の理由になるのです。
入社後に分かってくる事情が多くある以上、100%自分の理想に合う会社に入社する事は出来ません。肝心なのは、多少の不満が有ったとしても、辞職せず、体調も崩さずに働き続けられそうな会社を探す事です。
そこで重要になってくる考え方の一つが、休日出勤に関することです。例えば「残業や休日出勤が多くても、早めに社会人としてのスキルを身に付けたい」と言う考え方なら、残業・休日出勤が多くても耐えられるでしょう。しかし、残業・休日出勤の多い会社は人手不足や過剰な案件の抱え込みと言った、苛酷な労働環境が当たり前になっている可能性が高いのです。
プライベートを重視するなら休日出勤の少ない企業を、スキルアップや転職を考えているなら休日出勤の多い企業を選ぶなど、自分のキャリアプランに合わせて、就職先を決めましょう。
「仕事に対する価値観」で、就職先を決める事も大切です。これまでの人生経験で、結果よりも過程の充実に魅力を感じる、と言ったタイプであれば、「遣り甲斐」を優先して給料の低い企業に就職しても、継続して勤務する事が出来ます。
しかし、「兎に角結果が大事」「効率よく働き、出来るだけ沢山稼ぎたい」と言った、結果重視のタイプの人なら、仕事内容に拘るより給料の高い企業を探した方が満足できるでしょう。
業界研究や企業研究に時間を掛けたとしても、入社するまでは、自分がその企業で気持ちよく働けるかと言う事は分かりません。新卒で入った会社を短期間で退職してしまうと、大抵の場合、待遇や給料の低い企業へ転職する事になってしまう為、最初の企業は出来るだけ妥協せずに選びたいものです。
後悔しない企業選びのポイントは、「不満が有っても妥協できる、これだけは外せないという労働条件」を決めておく事です。絶対に妥協できない条件さえクリアしていれば多少の問題が有っても、働いていけます。
とはいっても、希望の企業と出会えても、書類選考・面接を突破できなければ、内定は勝ち取れません。先ずは専門の写真館で証明写真を撮影し、最も魅力的な写真で自分の外見や清潔感などをアピールできるようにしましょう。