就活の際、証明写真以外に、「あなたらしい写真」の提出を求める理由としては、履歴書やESの文字だけでは分かり難い、本人の性格・生活の様子、といった「中身」を見極める為です。清潔感や身嗜み、協調性を重視する日本の就活市場では、多くの就活生が似たような証明写真を提出します。同じようなスーツを着、髪型やメイクを整えた写真では、本人の性格を始めとする内面的な部分は分からないので、企業側は個性の出やすい「あなたらしい写真」を求めるのです。
例えば、
○どういう構図・状況の写真を選ぶか
○何故その写真を選んだのか
○提出した写真のエピソードをどのように見せるか
と言った部分で、人それぞれの個性が現れます。その個性が自社の文化に合っているか、活躍してくれそうかなどといった視点で企業は選考します。
履歴書やエントリーシートの文字部分を補強する材料として、企業はよりプライベートに近い写真を求めて来るのです。その為、ESとは言え油断せず、自分の発言や振る舞いと一貫した「あなたらしい写真」を提出する必要があります。
「あなたらしい写真」を選ぶ場合は、「履歴書やESでアピールしているポイントを補強できる一枚」を選ぶ様にしましょう。つまり、「ひと目で自分の強みや個性が伝わる写真」を選ぶ事が重要です。
就活において、面接官や採用担当者からの評価を得る為には、矛盾の無い一貫した自己アピールをする必要があります。例えば履歴書やESでは「協調性がある」とアピールしていても、「一人で趣味に没頭している姿」と言った写真を提出してしまうと説得力がありません。又、書類段階で他の就活生と差をつけたいのであれば、より個性が際立った一貫性の有る写真が必要になるでしょう。
ESに添付する「あなたらしい写真」は、あくまでも自分の魅力をアピールするための手段です。本当の意味で気に入っている写真を選ぶのではなく、就活を突破する為に考え、自分の強みを補強する一枚を選んで、自己PRに説得力を持たせるようにしましょう。しっかりと考え抜かれた一枚であれば、あなたの就活をより有利に進める事も可能です。
ESに、「あなたらしい写真」を添付する場合、同時に「その写真を選んだ理由」や「その写真のエピソード」を求められるのが一般的です。「あなたらしい写真」と言う設問では、写真とエピソードのセットで評価が決まります。素晴らしい出来栄えの写真でも、「写りが良くて気に入っているから」と言った理由では、評価の対象にはなりません。選考を突破するために、「どうしてこの一枚を選んだか」を説明できる写真を選びましょう。
尚、写真に添えるエピソードとしては、履歴書・ESの志望理由や、自己PRを補強できる物が好ましいと言えます。「好奇心旺盛で何事にも積極的にチャレンジしたい」人が、「講義やニュースを通して海外事情に興味を持った為、長期休暇を利用して実際に現地に向かった時」の写真を選べば、「積極性」や「行動力」などがアピールできます。
エピソードについては、面接の場でも質問される可能性が高いので、ES提出段階でしっかりと根拠を話せるように準備をして、写真を用意するようにしましょう。
「普段から写真を撮る習慣も無いし、手頃な写真が無い」と言う人もいるでしょう。そんな時に役に立つのが、自分のアピールポイントに合わせた写真を撮影するという手段です。
まず自己分析をしっかりして、自分なりのアピールポイントを纏めます。次に、そのアピールポイントを補強できる環境や場所を見つけます。サークルやアルバイト先、日常生活の場、旅行等です。
「写真を通してアピールしたい自分の個性」
「写真を紹介するときのエピソード」
を考えたら、最後に上記の項目が伝わるシチュエーションで撮影してもらいます。「自分らしい写真」の撮影は、プロに依頼するとわざとらしくなりがちですので、友人や家族に頼むと良いでしょう。そもそもESにおける「あなたらしい写真」は、写真の技術を見るものではないのです。あなたらしさが発揮されている写真であれば、問題は無いので写りより内容を意識するようにしましょう。
撮影したら、ESの内容と矛盾した箇所が無いか、改めて確認しましょう。身近な人に、あなたらしさが出ているか確認してもらうのも良いでしょう。最終的に、あなたらしさを評価した会社に入る事が、将来のキャリアにおいても重要になりますので、変に用意しすぎず、なるべく自然体で撮影するようにしましょう。
「あなたらしい写真」の項目を埋める際の注意事項として、「嘘を吐かない」事です。エピソードを創作したり、自分が全く持っていない個性をアピールしたりする為に、撮影環境を整えても、面接でその部分に突っ込まれた時に対応できません。そのような学生を見破る為に、「あなたらしい写真」を求める企業もあります。万が一上手に嘘を突き通して、内定を獲得したとしても、その企業で働く限りその嘘を守る必要が出てきます。
嘘を前提にした人間関係は、信頼を築くのが難しい物です。企業側はエントリーシートや履歴書の顔写真だけでは分からない、学生の飾らない素の姿から中身を判断したいのです。偽りの写真とエピソードでは、結局自分の為にならないので、「自分が持っている個性を上手く抽出してアピール出来る写真」を用意しましょう。
今回はエントリーシートの提出時に求められる「あなたらしい写真」について、ご紹介しました。記事の内容を理解して頂き、証明写真を撮る際に、着飾らないあなたらしい写真を撮影しましょう。
以上、皆様の就活の成功率が少しでも高まるように、参考にしていただけると幸いです。