十年以上 56%
四年~五年 16%
三年 12%
一年以内 8%
六年~十年 6%
二年 2%
>まだバブル景気の余波があり青田買いの状況で就職しましたので、漠然とですが終身雇用されるものとその時点では思っていたからです。[東京都/50代男性]
>希望していた職種でしたので、このままキャリアアップを続けて、出来れば結婚後も仕事を続けて行きたいと考えています。[神奈川県/20代女性]
>私が就活をしていた1990年代初頭は今ほど転職が当たり前という時代ではありませんでした。出来るだけ、新卒で入社した会社で定年を迎えたいという人も未だ一定数居た時代です。私も「将来転職する」事は、余り考えていませんでした。[兵庫県/50代男性]
全体の半数以上を占め、一番多かった回答が「十年以上」でした。今回のコメントでは、年代別に回答の理由が分かれました。なぜなら、五十代の方からはほぼ「終身雇用」という言葉が見られます。
今、五十代の方達が就職活動していた当時は、終身雇用の価値観が根強かったので、転職という選択肢は余り考えられない時代だったといえます。又、二十台の女性から、結婚しても好きな仕事を続けたいといった、前向きな回答もありました。
>二十年前は就職氷河期で景気が悪かったので、とりあえず何処かの会社に入ってから、景気が良くなってから転職をすれば良いという風潮でした。[京都府/40代男性]
>地元の中小企業でしたし働きながら仕事を覚え、もっと条件の良いところがあれば移れる準備はしていました。[宮城県/50代女性]
>結婚をしたら寿退社をして家庭に入りたいと思っていたからです。[愛知県/40代女性]
一位の十年以上から圧倒的に下がり、二番目に多かったのが「四年~五年」という回答でした。
詳細コメントを見ると、この回答をした九割近くの方が女性でした。内容を見ると、やはり「結婚」という文字が目立ちました。大学生から新卒入社で、二十二歳前後、その四年~五年後、二十代後半で結婚し家庭に入りたい、と考えている方が多かったようです。
又、ほかの理由として、一度就職した会社で基礎や業務等を学び、もっと条件や仕事内容の良い会社に転職したいという、向上思考での回答も見られました。
>石の上にも三年、という諺があるように、三年以上は仕事をしないと駄目だと思ったから。ただ、三年以上勤めればある程度の事がわかり、このまま続けていくべきか、転職した方が良いか、考えるのに丁度良い時期だと思えるから。[栃木県/40代男性]
>三年間働けば大体の仕事が分かってきますし、元々転職を考えていたので、三年間同じ会社で働いていた方が転職をする際に不利にならないと思ったからです。[千葉県/40代男性]
>実家の家業を継ぐ予定があったので、本当は入社して三年位で仕事を覚えたら辞めるつもりでした。[岐阜県/40代男性]
三番目に多かった回答は、「四年~五年」よりやや少ない「三年」でした。「四年~五年」とは僅差だったので、理由がそれ程変わらないのかと思いましたが、コメントを見ると皆さんに共通点がありました。
曰く、「三年居れば」「三年くらい経てば」と言った、「三年」という年数の価値観の一致です。勿論、家業を継ぐ為に最初から三年と決めていた方も居ましたが、大体が転職を見据えた上での、三年間という期間の見積もりでした。一年では未熟、五年ではそれなりの地位に居て、転職し難くなるといった理由から、三年経てばそれなりのスキルも身に付き、転職も不利にならないと考える人が多いようでした。
今回の調査では、世代と性別ごとに回答が見事に別れる結果となりました。五十代の方は、新卒時代に当たり前だと思っていた終身雇用の為、十年以上は勤務する物だと思っていた方が多く、反対に二十代の比較的若い世代の方は、スキルアップや転職の為に三年は働くという考え方の人が多いようです。
更に女性は三十代前後で結婚して寿退社を見越して四年~五年という期間を見積もる人も多くいました。時代や性別、生活環境などによりかなり差が出ましたが、結局長く勤める人は長く、辞める人は一年、二年でも退職される方も居ます。
勿論一度入った会社は長くいた方が良いという考え方もありますが、今の世の中では、無理して合わない会社に通い続けるのも賢いとは言えません。もし次のステップへの第一歩、転職を考える為の時間を悩むのであれば、世間一般に言われる「とりあえず三年」を目指してみるのも良い考えかもしれません。