集団面接の目的は
・ 質問された内容を正しく理解できるか
・ 伝えたい内容を簡潔にまとめて伝えられるか
を見る事です。就職後は上司や同僚、取引先等とコミュニケーションを取りながら仕事をします。少なくとも相手の言っている事を理解し、適切に返す能力がなければ、仕事になりません。所謂「コミュニケーション能力」と言うと、「他人とすぐに仲良くなれる会話力」とか「誰にでも好かれる性格」などをイメージしがちですが、企業が求める「コミュニケーション能力」は「聞いて理解する」「自分の考えを伝える」と言った事なのです。
又、集団面接中は他の就活生が話している時の姿勢や態度、言葉遣いなどもチェック対象です。一般常識が無い、基本的なマナーが出来ていないと思われる事は、大きなマイナス評価となってしまいます。
集団面接では目立ったり沢山話したりする事は、必ずしも必要ではありません。集団面接が苦手な人は「他よりも目立とう」「沢山話せば印象に残る」と考えがちです。しかし集団面接で肝心な事は、目立とうとしたり、沢山話そうとしたりすることではないのです。
就活は企業側が「一緒に働きたい」と思う人を選ぶ場です。就活の場で目立つ為に割り当て時間を越えて話そうとしたり、他の人が話しているのを遮って喋ったりするような人がいたら、一緒に働きたいと思ってもらえるでしょうか。
大切なのは「聞かれた事に対して、適切(と思う)答えを返す」事です。内容の無い話をし続ける人よりは、短いが的確な会話のキャッチボールが出来る人が評価されるのです。
集団面接では、就活生一人当たりの回答時間は短くなります。最初に行われる自己紹介や自己PRも「一分ぐらいで」などと時間を指定されたりします。志望内容や趣味・特技について長々と語ることなど出来ません。聞かれた事について出来るだけ簡潔に答えましょう。
「短時間で」「相手に分かり易い表現」で「聞かれた事に対する回答」をする為には、高い国語力が求められます。「早く答えなければ」と焦って適当な返答をするよりも、一拍置いて考えてから簡潔な返答をする方が重要です。
そうは言っても、何も準備していない状況で素早く簡潔に答えるのは困難です。良く聞かれる「学生時代に頑張った事」「入社後どういう仕事をしたいのか」などは事前に答えを考えて置けますが、決まりきった答えだとわざとらしさが出てしまうので、丸々答えを用意するのではなく、「こう聞かれた場合は、このキーワードで返答する」と言う感じに準備しておくと良いでしょう。
尚、「一分程度で」など回答時間を指定された場合は時間を守りましょう。多少の前後は許されますが、長々と話してしまうと上司の指示を守れない人間だと、判断されてしまいます。
集団面接に限らず、面接ではゆっくりハキハキと話すことを心がけましょう。
集団面接で重要なのは、質問に対して短く分かり易く答える事ですが、人間の印象は話の内容だけでなく、態度や声などによっても左右されます。オドオドした態度や、ボソボソした発言をしていては、言いたい事は伝わりません。態度や、話し方しだいで本来持っている人間的な魅力まで下がってしまうのです。
集団面接では、複数の就活生が互いに比較されます。「他の就活生より自信を持ってはなしている」「聞き取りやすい」と感じてもらえば評価が上がる事でしょう。
口下手な人にお勧めしたいのは、「発言以外の自己PR」を良くする事です。たとえば、ESの作り込みに会話力は必要ありません。面接官の気を引くような志望動機だったり、興味を持ってもらえるような趣味・特技が有ったりすればその分面接で優位に立てます。
又、複数人が同時に並ぶ集団面接では、座っている時の姿勢や、立ち上がる際の動作、お辞儀の仕方等、細かな所作に気を使うと美しく見えて有利です。履歴書の添え状を付けたり、面接後にお礼のはがきやメールを送ったりと、口下手な人は会話以外のアピール方法を駆使してライバルに差をつけましょう。